歌手Adoさんの『唱(しょう)』
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとの『ハロウィーン・ホラー・ナイト』の大人気イベント『ゾンビ・デ・ダンス』でコラボしたことにより人気に拍車がかかり、有名TikToker(ティックトッカー)やダンサー達がこぞってダンス動画を取り上げたことで話題になりSNS等で一気に拡散し社会現象にもなりました。
Ado公式サイトより引用
その『唱(しょう)』のサビ部分
『感情通りに八艘飛び』という歌詞、どういう意味なのか気になったことはありませんか?
本記事では、その歌詞の意味と魅力について説明していくので是非ご覧ください。
八艘飛びの語源に迫る
八艘飛びの意味
『八艘飛び』の意味についてです。
八艘飛び=はっそうとび:身軽に飛び回ることのたとえ。またはその様子
八艘飛びとは身軽に飛び回ることという意味で使われ、相撲の戦法としても知られています。
立ち合いの直後、大きく横に飛んで相手を交わす戦法
『壇ノ浦の戦い』
八艘飛びの語源について説明するためには『壇ノ浦の戦い』について知る必要があります。
1185(元暦2)年3月24日に起きた『源氏』VS『平氏』の海戦です。6年にわたって続いた、源平合戦の最終章こそが『壇ノ浦の戦い』になります。
『源氏』軍の大将は源頼朝(みなもとのよりとも)の弟・義経(よしつね)で、平氏軍は平知盛(たいらのとももり)になります。戦いは源氏軍側の勝利で終わり、敗れた平氏は滅亡します。戦に勝った源頼朝は、鎌倉で本格的な武家政権を始めます。これが『鎌倉幕府』の始まりです。
八艘飛びのエピソード
壇ノ浦の戦いで、決着がついた後も『平氏』側にはまだ戦い続ける武将がいました。それが大将『平知盛』でした。
平知盛は『源氏』側の大将『源義経』の首を取るために義経の船に乗り込みます。しかし、義経は戦の勝敗が既に決まっていることから、船に乗り込んできた知盛を相手にせず、船から船に飛び移り知盛から逃れました。
この時に、八艘先まで義経は知盛から去っていったとして歴史上では語られています。
約6mもある船から船の間を軽々と飛び移る姿を目の当たりにした平知盛は義経の首を取ることを諦めるのでした。
これが後に、源義経の『八艘飛び』として語り継がれることになります。
『艘』とは『船(ふね)』を数える単位であり、八艘とは八つの船と同意になります。
みもすそ川公園
山口県下関市みもすそ川町にある『みもすそ川公園』は壇ノ浦の海峡と、関門橋を一望でき、八艘飛びを表現した源義経像をみることができます。
余談ですが、2005年のNHK大河ドラマ「義経」で主役の源義経を演じた「滝沢秀明」さんや、共演者の「松坂慶子」さん、「中越典子」さんの銅板手形も見ることが出来るので観光に行かれた際は是非チェックです。
心地よい押韻
『感情どおりに』『八艘飛び』
このフレーズ聞いててすごく気持ちよくないですか?
その要因として、『押韻』(おういん)が関係しています。
「韻を踏む」とも言われ、類似した音を用いることで音の調子を整えるテクニック
『感情』→『Kanjou』
『八艘』→『Hassou』
母音が統一されて、スッと頭に入ってきます。
それでいて、印象深く力強さもあって素敵なフレーズ…そして、Adoさんの力強い歌声が絡み合ったら最強です。
まとめ
『感情通りに八艘飛び』というワンフレーズには、歴史的な意味合いを持っていたり、押韻の技術が詰め込まれたりなどいろいろな魅力があります。そういった一面を改めて発見すると、よりAdoさんの『唱』を楽しめると思います。今後も国民を魅了するAdoさんは要注目です。
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